「忘れないで」

何かを忘れてしまいたいとき、私たちは何をするだろう。忘れ去られた思い出たちは、どこ へ隠されてしまうのだろう。私たちがその記憶を呼び戻すことができないならば、それらは まだ存在していると言えるだろうか。この忘れられた出来事たちは、実際に行われたことな のだろうか。このような疑問が、「忘れないで」の出発点となった。

記憶は過去のアーカイブと言える。それらは、私たちのアイデンティティや個性、経験の中 心となる。いくつかの瞬間は鮮明に保存されているにも関わらず、記憶のほとんどは私たち が望むようにコントロールできない。それらの記憶には見出しもなければ、時系列に従って 整理されることもない。記憶は私たちを超越し、時に消えたり形を変えたりするが、それで も痕跡は残っているのだ。

「忘れないで」(2012 年)

フルカラー、14 ページ(蛇腹折り製本)、13×18.5cm
限定版 250 部(サイン・シリアルナンバー入り)